令和6年10月27日 十夜会法要を勤めました。

令和6年10月27日(日曜日) 十夜会法要を勤めました。 十夜法要は今からおよそ600年前に平貞国が真如堂で行った十日十夜の念仏行に由来しています。 真如堂では毎年11月5日~11月15日の間、鉦鼓を打ちながら節をつけて念仏を唱える法要が行われます。 浄土宗ではこれに倣い11月にお十夜を修されることが多いです。 当寺では現在は10月下旬に行っていますが以前は11月に行っていました。 昔は11月は寒く暖を取るのに火鉢を使っていました。 小さな火鉢を本堂と座敷それに寺方の分として10数個火鉢を用意していました。 大変なのは、それぞれ火鉢に炭をおこして用意することです。 二つの七輪で消炭に火を着けそれに炭を乗せて炭をおこします。 おこした炭を火鉢に移します。それを数回繰り返します。 大変時間が掛かります。 他にも用事があるのに寒い時分は余計に手間が掛かります。 それで先代住職の時に先々代住職の命日10月24日の近い10月下旬に行うようになりました。 わずか半月の違いですが寒さが大分違ったそうです。 法要の後はお念仏の教えはお釈迦様が説かれました。 お釈迦様が説かれた代表的なお経が般若心経です。 そこに説かれる空の思想を薬師寺の高田好胤師は「かたよらない心 こだわらない心 とらわれない心 ひろく ひろく もっとひろく」と説かれました。 しかし、拘るのが人間です。日々つまらないことにこだわって悩みの種を自分で作っています。 そこで西方極楽浄土に心を集中させ、ただ一つ極楽浄土に思いを凝らして他の雑念を捨てるのです。 子供が工作作りに夢中になって母親が呼びかけても振り向きもしない。 一つのことに夢中になれば他の雑念は消え失せます。 よく高い山から我が街を見れば、あの中でもがいている自分が馬鹿らしく見えるといいます。 やがて行くべき西方浄土から些細なことで苦しみもがいている自分を顧みて、明るく前向きに生きていくべきことを学ぶでしょう。 境内では芙蓉とシュウメイギクが咲いています。 やがてカエルとお地蔵様の庭になります。