令和5年10月4日 令和5年度秋の宝物公開について(2)

 令和5年10月4日(水曜日) 令和5年度秋の宝物公開について(2)

10月7日(土曜日)・8日(日曜日)共に午前10時より午後3時まで本堂で織田信長公より賜う宝物を公開します。

勝念寺にはチベット仏教の緑多羅菩薩(当寺では多羅観音として祀っています)がおられます。

織田信長公より賜わると伝えています。



文政6年(1823)に書かれた焔魔法王尊像縁起には​金銅像観世音 天竺佛座像と書かれています。



また明治24年(1891)の鑑査状には如意輪観音坐像 傳天竺作と​書かれています。

以前は不思議な顔姿をした仏様としか見ていませんでした。




しかし現住職になって如意輪観音では手の印相など疑問に思い、ネットで検索して当寺の金銅像観世音 天竺佛座像とそっくりなチベット仏教の緑多羅菩薩の画像を発見しました。




思っても見なかったチベット仏教の仏様です。さらにネットで調べてほぼ間違いなくチベットの仏様であろうということで勝念寺のHPに載せ、そして宝物公開にこの仏様を皆さんに観てもらったところ、研究者や実際にチベットに行かれチベット仏教に触れられた方、チベット仏教を信仰している方など色んな方が来られました。



その中、関西大学大学院 東アジア文化研究科・文化交渉学専攻 索南卓瑪 先生が来られ見て頂いたところ間違いなくチベット仏教の緑多羅菩薩であると言って頂きました。

いくつかの論文にも勝念寺の緑多羅菩薩を取り上げて頂きました。


◎日本で多羅菩薩を祀っているのは勝念寺だけである。



◎勝念寺の多羅菩薩像は中国の元時代から明代の初期(13世紀後半から14世紀)の多羅菩薩像に非常に類似している。




◎従って戦国時代(16世紀)に勝念寺の多羅菩薩像が大陸から伝わった可能性はある。と書いて頂きました。



これからはこの仏様がいつ何処で造られ、何処で祀られ、どの様な経緯で大陸から日本へ、そして織田信長公の手に届き、開山貞安上人に授けられたのか、興味は尽きません。



勝念寺の緑多羅菩薩(多羅観音)は結構人気があり、お参りさせてほしいという方がよく来られます。

しかし当寺のような小さな寺では管理が行き届かず常時公開は出来ません。



ぜひこの宝物公開の機会をお見逃しなく。










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